明治学院歴史資料館展示室では企画展示「〈楽譜〉でたどる北村季晴の音楽世界」を開催しています。
1887(明治20)年9月に明治学院普通学部に第一期生として入学した北村季晴(きたむら・すえはる)。同級生には島崎藤村もおり二人は親交を深めました。その後、ヘボンの薦めもあり東京音楽学校師範部へ進みます。1895年には青森県師範学校の教諭を経て、長野県師範学校教諭となり、浅井洌が作詞した「信濃の国」に曲をつけました。同歌は1900(明治33)年に『信濃唱歌』第一集のなかの一曲として出版され、1968(昭和43)年に長野県歌となり現在も愛唱されています。作曲、演奏家として和洋調和楽の普及に取り組んだ北村は、1901年から1910年にかけて『長唄楽譜』全9編や、『邦楽全集』全6編などを制作しました。
1912年に北村自ら作詞・作曲・演出したオトギ歌劇『ドンブラコ』は1914(大正3)年に宝塚少女歌劇の第一回演目に採用。その後も、唱歌や児童歌劇など、“子どものため”の楽曲制作に取り組み、1927(昭和2)年には北村児童歌劇協会を設立しました。
本展示では、北村が音楽にささげた生涯を、当館が所蔵する楽譜などの北村季晴関係資料と共にご紹介しています。
〈展示のB面:うら話〉
音楽家の展示をつくるにあたり、来館者の皆様に「音」をどの様にお届けするか悩んだ結果、当館特任研究員が北村季晴の楽曲(一部)を演奏し、録音したものをQRコードで展示するということになりました。展示パネルのQRを読み込んでいただくとその演奏をお楽しみいただけます。また、楽譜表紙も当時を想わせるレトロなデザインが素敵です。是非、表紙にも着目してみてください。
本展をひとつずつつくるにあたり演奏など初めてのチャレンジもありましたが、当館らしい展示になっていると思います。
是非、多くの方にご来館いただければと存じます。
◆展示情報
「〈楽譜〉でたどる北村季晴の音楽世界」
会場:明治学院歴史資料館展示室(明治学院記念館1階)
会期:第一期2024年10月1日(火) 〜 12月20日(金)
第二期2025年1月14日(火)~ 4月18日(金)※会期毎に一部資料を変更いたします
開室日時:月曜日 〜 金曜日 9時 〜 16時
休室日:土曜日、日曜日、国民の休日、年末年始、学院の定める休日 ※台風等で臨時閉室する場合がございます。どうぞご了承ください。
楽譜でたどる北村季晴の音楽世界フライヤー(クリックすると表示されます)