インブリー館では東京文化財ウィーク期間の一般公開に加え、2021年度から学院内の学生、生徒及び教職員を対象に個別見学を受け付けています。2023年度からは同窓生もその対象に加え、基本的に予約制で上限人数5名、木曜日と金曜日に見学を実施しています。2023年度は28名の方が見学で来館され、年々増加傾向にあります。見学者へのアンケートでは、和洋折衷の造りや建物の歴史的価値を知ることができた、室内がきれいで心地良かった等の感想をいただいております。
【展示のB面:うら話】
(文・写真 明治学院歴史資料館学生アルバイト 南拓真)
私が初めてインブリー館を見学したのは2023年の12月で、翌年の1月にも再び見学させていただきました。歴史資料館の職員の方によるガイドで館内を上から下まで見て回り、趣味の写真もたくさん撮らせていただきました。カメラを持ってじっくり館内を眺めると、おしゃれなポイントがあちこちにありとてもワクワクしました。また、ファインダー越しに眺めたり、写真を見返したりすることで気づく魅力もありました。いつも気になりつつ通り過ぎるだけのインブリー館でしたが、見学をしてとても素敵な建物であることがよくわかりました。そこで、今回は私が感じたインブリー館の魅力についてお話しさせていただきます。
私は洋風の古い建物が好きでよく見学に行くのですが、その魅力はやはりおしゃれなデザインだと思います。インブリー館もまた、細かなデザインの一つ一つが今にはない特別な雰囲気を作り出しています。見学中、最もたくさん写真を撮ったのは窓でした。格子の入った縦型の窓はその細い線がとても美しく、いかにも洋風です。これがあるだけで建物の印象ががらりと変わる気がします。窓の格子は細い木材が組み合わされ、十字などがきれいにデザインされています。窓は外から見ると白く繊細で美しいのですが、内側は一部を除き木の色や風合いが活かされていて、温かみがあります。窓の鍵一つとっても、なんだか魅力的です。木製だからか、あるいはデザインが良いからなのか、普段見ている窓とはまるで違う特別感がありました。今見返してもよく出来ているなあと感心してしまいます。また、インブリー館のてっぺんにはレンガの煙突があり、ここも時代や外国の雰囲気を感じられるポイントです。窓と合わせてぜひ一度見上げてみてください。
インブリー館に入ると木の存在を強く感じました。床やドアを中心に暗めのトーンで統一された木材がふんだんに使われています。特に良かったのは1階の会議室で、暖色系の家具ややわらかな照明などにより、木の温もりが一層感じられる部屋でした。大きなドアには重厚感があり、木目や光沢がとても美しいです。また、大小の木材が組み合わされた立体的な装飾がされています。今どきの木目調シートでは出せない存在感と美しさだと思います。床も当然木ですが、真っ平ではありません。少し凹凸があってぎしぎし軋みますが、むしろそこに古い建物としての魅力があり、木の質感を足の裏で感じられました。やはり、実際に使われていて触れられるインブリー館だからこそ、こうした体験が出来るのだと思います。
最初の見学がクリスマスの時期だったので、うれしいことに1階会議室にはクリスマスツリーが飾られていました。洋風のインブリー館にクリスマスツリーとは、まさに憧れの外国の家という感じで感激しました。外からも見えるので、クリスマスの時期にはぜひ注目していただきたいポイントです。また、ありがたいことに歴史資料館の学生アルバイトについて見学の際に紹介していただき、今こうして憧れのインブリー館でお仕事ができています。アルバイトでインブリー館に入る度、登校してインブリー館の前を通る度、その建物としての魅力を日々感じています。皆様も明治学院へお越しの際は、窓や木部に注目しながら、ぜひインブリー館を見学していただきたいと思います。
◆インブリー館見学につきまして 1) 対象:本学院の学生・生徒・教職員・同窓生 2) 曜日:木曜日、金曜日(祝日、学生・生徒の入構禁止期間は除く) 3) 受付期間:10時~15時30分(11時45分~12時30分は除く) 4) 見学範囲:インブリー館の1階および2階(牧師室は除く) 5) 見学人数:上限5名(5名以上で見学を希望される場合はご相談ください) 詳しくは、インブリー館前の看板をご確認ください。 また、一般公開は11月1日~3日の東京文化財ウィーク期間となっております。ご了承ください。